2021年4月9日
劇団【放電家族】事務所/稽古場にて、初の脚本制作ミーティング。劇作家/天野潤一郎さんとオリジナル脚本を仕上げる。宮沢賢治【風の又三郎】は、著作権がフリーとなり、インターネット上の電子図書館【青空文庫】から入手可能。→宮沢賢治【風の又三郎】
この物語は、まずその成り立ちが面白い。
【風の又三郎】というお話には、もう一つ、別のバージョンがある。広く一般に知られているのは、最後まで謎の転校生で終わりを迎えるお話し。高田三郎という不思議な転校生と過ごした9日間の物語り。風の神、又三郎ではないのか?!と噂されるが、最後まで正体は明らかにされず、なんとも言えない不思議な気持ちになる。そして、あまり知られていない、別バージョンというのがこちら→【風野又三郎】
こちらははっきりと、風の神又三郎として登場。風の神といえば、日本神話に登場するスサノオ。気になったので検索サーフィンしてたら面白い記事を発見。
風の神はどうして「三郎」なの?雑節「二百十日」に現れる撹乱者=トリックスター
どちらも宮沢賢治さんの死後に発表された作品。風野又三郎の改新版が、風の又三郎。そしてこの原作=風野(神)が、現代にあまり知られていないって何かミステリアス。この立体的な世界観が、ただの物語ではない感じ。そして、この作品、知ってるようで内容しらない人が多いのも謎。(ぼくもその一人だった。)
小説、映画、お芝居、詩、音楽、舞踊、それぞれに得意な表現分野があような気がする。
そのなかで、舞踊が表現しうる分野はそれほど広くないけど、最も抽象度の高い世界、人智を超えたモノ、言葉という概念で表現することが難しいコト、を表現する手段として適しているのでないかと思う。
この風の(野)又三郎という題材は、ダンサーとして、とても意欲をそそられる題材でもある。